目次
遺産相続の基本的な知識について
私は相続人になるのでしょうか?
相続人となる人の順番は
- 子(直系卑属(下の世代))
- 親(直系尊属(上の世代))
- 兄弟姉妹
※配偶者は常に相続人
となっています。
詳しくは、こちら↓の記事をご確認ください。
下記のような事情にあたる方については、こちら↓で解説しています。
- 胎児
- 父が認知した子
- 前配偶者の子
- 前配偶者
- 内縁の配偶
- 養子
孫が相続人になる場合があると聞きましたが?
代襲相続が発生していると孫が相続人となることがあります。
代襲相続とは、相続人となるべき人がすでに亡くなっている場合、その人に子供(被相続人からみれば孫)がいれば、その子供(孫)が相続人となる制度のことです。
詳しくは、こちら↓をご覧ください。
相続にはいくつかの方法があると聞きましたが…
相続には
- 単純承認
→全部の財産を引き継ぐ方法 - 限定承認
→プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を支払い、残った財産を引き継ぐ方法 - 相続放棄
→全部の財産を放棄する方法
といった3種類の方法があります。あなたの事情に応じて適切な方法を選択をしてください。
詳細は、こちら↓の記事をご覧ください
遺産相続は何から手を付けたらよいのでしょうか?
遺産相続の手続きに関しては、こちら↓の記事をご覧ください。
住宅ローンの相続はどうなるのでしょうか?
住宅ローンを組んでいる人が亡くなったら、団体信用生命保険への加入の有無を必ず確認するようにしましょう。保険の適用を受けることができれば、残りの住宅ローンは保険会社が支払ってくれることになります。
団体信用生命保険に加入していない場合は、遺産分割協議によってその住宅を相続した相続人が支払っていくケースがほとんどです。
特定の相続人が住宅ローンの支払いを引き継ぐためには、金融機関に届け出をして「債務引受の承認」をしてもらう必要がありますので、ローンを組んだ金融機関に手続きの確認をしてください。
住宅ローンと相続の関係については、こちら↓の記事が参考になります。
亡くなった人が借金をしていました。相続放棄を検討したほうがよいのでしょうか?
相続人は、亡くなった人のすべての財産を引き継ぎます。この引き継がれる財産の中には、借金などのマイナスの財産も含まれます。
亡くなった人の財産の調査をして、預貯金などのプラスの財産より借金などのマイナスの財産の方が多ければ、相続放棄を検討されたほうがよいでしょう。
相続放棄については、当事務所の運営している相続放棄の専門サイトをご覧ください。
司法書士は、相続についてどんなことができるのですか?
相続人同士でモメごとがなく、相続税の申告がない場合は、司法書士のみでほとんどの手続きを完了させることができます。
(参考)当事務所のサービス比較表
相続登記おまかせパック (不動産の名義変更) |
遺産相続おまかせパック | |
無料相談 | ◯ | ◯ |
出張相談 | ◯ | ◯ |
相続登記申請 | ◯ | ◯ |
遺産分割協議書作成 | ◯ | ◯ |
相続関係説明図作成 | ◯ | ◯ |
戸籍収集 | ◯ | ◯ |
相続人調査 | ◯ | ◯ |
不動産調査 | ◯ | ◯ |
遺産調査(不動産以外) | × | ◯ |
遺言書の検認手続 | ◯ | ◯ |
評価証明書取得 | ◯ | ◯ |
登記事項証明書取得 | ◯ | ◯ |
銀行預金の解約 | × | ◯ |
郵便貯金の解約 | × | ◯ |
生命保険調査・請求 | × | ◯ |
社会保険手続 | × | ◯ |
株式の名義変更 | × | ◯ |
自動車の名義変更 | × | ◯ |
公共料金の名義変更 | × | ◯ |
その他各種お届け | × | ◯ |
相続税の申告 | 税理士をご紹介 | 税理士をご紹介 |
遺産分割にかかる裁判手続き | 弁護士をご紹介 | 弁護士をご紹介 |
その他、各専門家の比較は、こちら↓のページをご確認ください。
司法書士、税理士、弁護士の違いがよく分かりません。どの専門家に依頼をすればよいのでしょうか?
ざっくりいうと
- 相続人同士でモメていて裁判を考えている
→弁護士 - 相続税がかかる(遺産の額が、3000万円+相続人の人数×600万円を超える)
→税理士 - その他の普通の相続(1.2以外)
→司法書士
と考えていただければよいかと思います。
詳しい各専門家の比較は、こちら↓の記事を参考にしてください。
他の相続人が弁護士を立てて争う姿勢を見せています。このような場合でも司法書士に依頼できますか?
弁護士法との関係上、司法書士は紛争への介入はできません。
現に相続人同士での争いが顕在化してしまっている場合は、弁護士にご依頼ください。
相続登記(不動産の名義変更)について
「相続登記」ってなんですか?
土地・家などの不動産を相続した場合は「相続登記」をする必要があります。相続登記とは、亡くなった方名義の不動産を相続人名義へ移すこと。いわゆる「不動産の名義変更手続」と同じものです。
不動産は価値の高い重要な財産ですから「相続登記」は数ある相続手続きの中でも重要な位置づけになります。
相続登記の詳細は、こちら↓の記事をご覧ください。
相続登記はいつまでにすればよいのでしょうか?
相続登記はいつまでにしなければいけないという期限はなく、放置していたからといって罰金などを課せられることもありません。そのため、あえて相続登記をせずに放置している方も見受けられます。
しかし、相続登記を放置しているといざというときに困ってしまうことがありますので、お早めの手続きをおすすめします。
相続登記の期限については、こちら↓の記事を参考にしてください。
相続登記に必要な書類を教えてください
相続登記の必要書類・申請書の書き方は、こちら↓の記事を参考にしてください。
亡くなった人の不動産の権利証が見つからないのですが、どうすればよいのでしょうか?
相続登記に不動産の権利証は不要です。もし見当たらない場合は、無理して探す必要はありません。
詳しくは、こちら↓の記事を確認してください。
なお、亡くなったの所有していた不動産は、「名寄帳」と「登記事項証明書」という書類で確認できます。
亡くなった人に遺言があるのですが、相続登記の手続きはどのように進めたらよいのでしょうか?
被相続人の残した遺言がある場合は、通常の相続登記と添付書類が異なります。主な違いは下記の4点。
- 遺言がある場合は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得する必要がなく、被相続人の死亡の記載のあるものだけでよい
- 遺言がある場合は、相続人全員の戸籍謄本を取得する必要がなく、不動産を取得する人だけの戸籍謄本があればよい
- 遺言がある場合は、遺産分割協議をする必要がない
- 遺言がある場合は、印鑑証明書を添付する必要がない
表にすると次のようになります。
通常の相続登記 | 遺言がある場合の相続登記 |
被相続人の死亡から出生までの戸籍謄本 | 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本 |
被相続人の住民票の除票 | 同左 |
相続人全員の戸籍謄本 | 不動産を取得する人の戸籍謄本 |
不動産を取得する人の住民票 | 同左 |
遺産分割協議書 | 遺言書 |
相続人全員の印鑑証明書 | 印鑑証明書は不要 |
相続する不動産の固定資産評価証明書 | 同左 |
遺言と相続登記については、こちら↓の記事が参考になります。
亡くなった人所有の建物が登記されていませんでした。どうすればよいのでしょうか?
登記されていない、いわゆる未登記の建物も相続の対象となります。選択肢としては主に次の3つがあります。
- 相続する人の名義で相続登記をする
- 建物を取り壊す
- とりあえずそのまま置いといて、必要に迫られたら登記をする
どの選択肢にもメリット・デメリットがあります。詳しい解説は、こちら↓の記事を参考にしてください。
遺産分割協議について
遺産分割協議とはなんですか?どうやって進めればよいのでしょうか?
遺産分割協議とは、被相続人(亡くなった方)の遺産を相続人の全員でどのように分けるのか協議をすること。法律的にも、感情的にも、相続手続きの最重要となるポイントです。
遺産分割協議の進め方については、こちら↓の記事が参考になります。
遺産分割協議が終了したら、こちら↓の記事を参考にして遺産分割協議「書」を作成しましょう。
被相続人(亡くなった人)の生前に遺産分割協議はできますか?
被相続人の生前に話し合った遺産分割の内容は、法的な効力は持ちません。
したがって、被相続人の死亡後に改めて遺産分割協議をする必要があります。
遺産の分け方にルールはあるのですか?
遺産分割協議には、「このとおりにしなければいけない」というルールは定められていません。
民法第906条(遺産の分割の基準)
遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。
つまり、遺産分割協議は、相続人全員で合意できる限り自由に分割方法を決定することができます。
しかし、全くの自由といっても、一部の相続人の強硬的な態度は争いを招きます。実際には、協議で争わないための一つの方法として、各相続人の法定相続分を目安に分割をすることが多いようです。
遺産の分け方についてはこちら↓の記事が参考になります。
相続人の中に認知症の人がいます。遺産分割協議は、どうやって進めればよいのでしょうか?
遺産分割協議を成立させるためには、物事の良し悪しを判断できる能力が必要とされています。これは、認知症などで判断能力の低下した方が、自分にとって不利益な遺産分割協議を認めてしまわないようにするためです。
このようなケースで、遺産分割協議を成立させる方法は次の2点が考えられます。
- 成年後見人を選任する
- 遺産分割協議をせずに法定相続分で分ける
詳しくは、こちらの↓記事を参考にしてください。
相続人の中に連絡のとれない人がいます。遺産分割協議はどうやって進めればよいのでしょうか?
この場合は、「連絡のとれない」状況によって取るべき手続きが変わります。
- 戸籍を取得して本籍地・住所地は確認できるが、一度も会ったことがない相続人がいる場合(たとえば、前妻の子など)
→手紙などで遺産相続の状況を伝えて連絡をとります。相手からすると急な連絡になってしまいますので、丁寧な文面で送ることをおすすめします。 - 住民票上の住所地に本人が住んでおらず、行方不明になっている場合
→不在者財産管理人選任の手続きが必要になります。詳細はこちら↓の記事をご確認ください。
相続人全員で、一度に集まっての遺産分割協議ができません。この場合どうすればよいのでしょうか?
遺産分割協議は、必ずしも全員が一か所に集まって話し合いをする必要はありません。遺産分割協議書の郵送でのやりとりや、何度かに分けて協議を開催することも可能となっています。
こちら↓の記事を参考に、遺産分割協議を進めてみてください。
遺産分割協議のやり直しはできますか?
すでに成立した遺産分割協議のやり直しは、状況によっては可能となります。
- 相続人全員で遺産分割協議のやり直しに合意している場合
→遺産分割協議のやり直しができます。ただし、贈与税の課税には注意してください。 - 遺産分割協議で定められた約束を守らない相続人がいる場合
→遺産分割協議のやり直しはできません。法律の用語で「遺産分割協議の法定解除はできない」といいます。 - その他遺産分割協議を無効・取り消しとする事情(詐欺・強迫など)がある場合
→遺産分割協議のやり直しができる可能性があります。このような事情がある場合は訴訟手続きが必要になることが多いので、弁護士に相談されることをおすすめします。
遺産分割協議のやり直しについては、こちら↓の記事を参考にしてください。
相続放棄について
相続放棄について(全般)
当事務所は、相続放棄の特設サイトを開設しています。相続放棄に関する様々な情報を掲載していますので、下記リンク先からご確認ください。
相続放棄はどんな時に必要ですか?
相続とは、「亡くなった人のすべての財産を、相続人が引き継ぐ」制度のことです。
そして、この引き継ぐことになる財産の中には、借金などのマイナスの財産も含まれます。
したがって、プラスの財産よりマイナスの財産の方が多い場合には、相続放棄を検討する必要があるでしょう。
ほかに、相続人同士の争いに関わりたくないと思っている方も、相続放棄を検討されていることが多いようです。
詳しくはこちら↓の記事をご覧ください。
借金だけの相続放棄はできますか?
借金だけの相続放棄はできません。
相続放棄は「亡くなった人のすべての財産の引き継ぎを放棄する」手続きです。
この放棄される財産とは、預貯金などのプラスの財産と借金などのマイナスの財産を合算したものになります。
したがって、マイナスの財産である借金のみの相続放棄はできないことになります。
詳しくはこちら↓で解説しています。
遺産分割協議の書類に、遺産を放棄する旨を書きました。もう相続放棄をする必要はありませんか?
遺産の放棄と家庭裁判所に申述する正式な相続放棄は異なります。
正式な相続放棄は、借金などのマイナスの財産を含めたすべての財産の放棄をしますが、遺産の放棄は、借金などのマイナスの財産の放棄はされません。
亡くなった人の借金を放棄したい場合は、家庭裁判所に申述する正式な相続放棄を選択しましょう。
単に「相続争いに関わりたくない」とか、「他の相続人との関わりが面倒」といった理由で放棄をしたい人は、遺産分割協議書に署名・押印をする遺産の放棄で十分でしょう。
相続放棄と遺産の放棄の違いは、こちら↓を参考にしてください。
私が相続放棄をすると、子供が責任を負うことになってしまうのでしょうか?
同順位の相続人全員が相続放棄をすると、次順位の相続人に相続権が移ります。
相続人となる人の順番は
- 子(直系卑属(下の世代))
- 親(直系尊属(上の世代))
- 兄弟姉妹
※配偶者は常に相続人
となっています。
たとえば、子の立場にあたる人が全員相続放棄をした場合、①父母が健在であれば相続権は父母へ、②父母がすでに亡くなっている場合は、兄弟姉妹へ相続権が移ることになります。
したがって、あなたの子供に相続人としての責任が行くことはありませんが、亡くなった人の親や兄弟姉妹が相続人となることはあります。
詳しくは、こちら↓の記事をご覧ください。
相続放棄の期限はありますか?
相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」にするのが原則です。
「被相続人死亡の日」ではないことに注意してください。
相続放棄の期限については、こちら↓の記事が参考になります。
なお、例外的に3ヶ月経過後の相続放棄が認められることもあります。
詳しくは、こちら↓をご覧ください。
父が亡くなって3ヶ月経過後に、債権者が借金の請求書を送ってきました。もう相続放棄はできないのでしょうか?
相続放棄の期間は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」とされています。
しかし、裁判例は、「一定の事情がある相続人は、3ヶ月の期間経過後にも相続放棄を認めてよい」としています。
この一定の事情とは、相続人が相続放棄をしなかったのが、
- 被相続人に相続財産が全くないと信じたこと
- このように信じることについて相当な理由があること
の2点に該当する場合です。
そして、この事情に該当する場合は、相続放棄の期間計算のはじまりを「相続人が被相続人の相続財産があることを知った時から起算してもよい」としています。
したがって、あなたの状況によっては3ヶ月の期間経過後の相続放棄が認められる可能性があります。
詳しくは、こちら↓の記事を参考にしてください。
亡くなった人に借金はあるようなのですが、それがいくらか判明していません。調査に時間がかかるようです。このような場合はどうしたらよいですか?
相続放棄の期間は、原則として、「自分のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」とされています。
ただし、この期間に財産の調査を終えることができないなどの理由があれば、3ヶ月の期間を伸長することができます。
詳しくは、こちら↓の記事をご覧ください。
未成年の子供の相続放棄はどうすればよいですか?
未成年者の相続放棄は次の2つのケースに分けて考える必要があります。
- 未成年者と親が一緒に相続放棄をする場合
- 未成年者のみが相続放棄をする場合
1のケースは、未成年者の代わりに親が相続放棄の申述をします。
2のケースは、未成年者に特別代理人の選任が必要です。
未成年者の相続放棄については、こちら↓の記事を参考にしてください。
生前に相続放棄はできますか?
被相続人(亡くなった人)の生前に相続放棄はできません。相続放棄は、死亡後の手続きになります。
亡くなった人の預貯金を葬式代に使用しました。この後に相続放棄をすることはできますか?
亡くなった人の財産を処分した場合は、「法定単純承認」と呼ばれるものに該当してしまい、もうその相続を放棄することはできなくなってしまいます。
本件では、この葬儀代が「相続財産の処分」に当たるのかが問題になります。
過去の裁判例は、「社会的に見て相当な価格の葬儀費用は、相続財産の処分にはあたらない」と判断しています。
したがって、葬儀代を亡くなった人の預貯金から支出したとしても、相続放棄が認められる可能性は高いといえるでしょう。
「相続財産の処分」の具体例については、こちら↓の記事を参考にしてください。
相続放棄に必要な書類を教えて下さい
1.すべての放棄をする人に共通して必要な書類等
- 収入印紙(800円分)
- 連絡用郵便切手(各家庭裁判所によって異なります)
- 相続放棄申述書(家庭裁判所でダウンロードできます)
- 亡くなった人の住民票除票または戸籍附票
- 放棄をする人の戸籍謄本
2.放棄をする人が亡くなった人の配偶者の場合
- 亡くなった人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
3.放棄をする人が亡くなった人の子の場合
- 亡くなった人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
4.放棄をする人が亡くなった人の父母・祖父母等の場合
(先順位相続人等から提出済みのものは添付不要)
- 亡くなった人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
- 亡くなった人の子ですでに死亡している人がいる場合,その子の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
5.放棄をする人が亡くなった人の兄弟姉妹の場合
(先順位相続人等から提出済みのものは添付不要)
- 亡くなった人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
- 亡くなった人の子ですでに死亡している人がいる場合,その子の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
- 亡くなった人の直系尊属(父母、祖父母)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
以上が各相続人別の必要書類となります。
被相続人の死亡を知った時から3ヶ月経過後に相続放棄をするには、上申書が必要な場合があります。詳しくはこちら↓をご確認ください。
家庭裁判所は、上記のほかにも追加で書類の提出を求める場合があります。
提出書類の詳細は、各家庭裁判所にご確認ください。
相続放棄の申立は、どこにすればよいのでしょうか?
相続放棄申述書はどのように書けばよいのでしょうか?
以下を参考にしてください。

- 収入印紙は800円。連絡用郵便切手は各裁判所によって異なります。裁判所HPで確認しましょう。
- 収入印紙を貼る欄です。
- 申述先の家庭裁判所と申述年月日を記入します。
- 相続放棄をする人の氏名を記入します。印鑑は認印で構いません。
- 添付した書類にチェックを入れます。通数も忘れずに記入しましょう。
- 放棄する人をここに記入します。住所は住民票上の住所を記入しましょう。
- 放棄する人が未成年者の場合は、ここに親権者(親)を記入します。
- 被相続人(亡くなった人)を記入します。
- 申述の理由は、あなたの事情をそのまま記入します。財産の種類は分かっているものを記入すればよいでしょう。
被相続人の死亡を知った日から3ヶ月が経過している場合は、上申書も提出する必要があります。詳しくはこちら↓をご確認ください。
相続放棄の申述とは、裁判所の法廷でなにかの宣言をする必要があるのですか?
相続放棄をすることを「相続放棄の申述」と呼びますが、具体的にあなたがすることは「家庭裁判所に書類を提出すること」だけです。
つまり、「相続放棄の申述」≒「家庭裁判所に相続放棄の書類を提出」ということになりますね。
裁判所の法廷でなにかの宣言をしなければならないわけではありませんので、ご安心ください。
相続放棄の具体的な手順については、こちら↓で説明していますのでご確認ください。
相続放棄をした後は、だれが相続人になるのですか?
同順位の相続人全員が相続放棄をした後は、相続権は次順位の相続人に移ります。
被相続人(亡くなった人)に借金があるなどの理由があって相続放棄をした場合は、相続権が移った次順位以下の相続人も、必然的に相続放棄を検討することになるでしょう。
したがって、次順位以降の相続人と連絡をとれるようなら、相続放棄の方法や注意点を教えてあげると次の相続放棄がスムーズに進みます。
相続放棄をした後の注意点はこちら↓をご確認ください。
相続放棄は取り消されることがあると聞きましたが、本当でしょうか?
法律は、相続人が相続放棄をした後であっても、相続財産を勝手に使いこんでしまうなどの一定の行動を取った場合には、一旦受理した相続放棄を取消す旨を定めています。
相続放棄後に相続財産に触れるのは、「管理」の範囲にとどめておくようにしましょう。
詳しくは、こちら↓の記事を参考にしてください。
間違えて相続放棄をしてしまいました。もう撤回することはできないのでしょうか?
原則として、相続放棄の撤回はできません。
ただし、一定の事情がある人は相続放棄の撤回をすることができます。これの例は、他人に騙された場合、脅迫された場合などです。
遺言について
遺言にはどんな種類がありますか?
遺言には次の3種類があります。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
各遺言を作成する方法は法律によって定められています。それぞれのメリットデメリットをまとめると、次のようになります。
自筆証書遺言のメリット
- 基本的に紙とペンがあればいつでも作成できる
- 証人は必要ない
自筆証書遺言のデメリット
- 法律上厳格な方式が定められていて、この方式から外れた遺言は無効となってしまう
- 遺言の有効性が問題になることがある
- 亡くなった後にどうやって相続人に知らせるかという問題もある
公正証書遺言のメリット
- 法的な効力については、十分に信頼のおける遺言を作成できる
- 裁判所での「検認」手続きの必要はない
- 公証人役場で公正証書遺言の保管をしてもらうことができる
公正証書遺言のデメリット
- 公正証書遺言の作成には、公証人の手数料などの費用がかかる
- 公証人及び2名の証人には、遺言の内容は知られてしまう
秘密証書遺言のメリット
- 秘密証書遺言は内容を秘密にできる
- 保管を公証人役場に依頼できる
秘密証書遺言のデメリット
- 遺言は自分自身で書く必要がある
- 専門家のチェックを受けるわけではないので不備があれば無効となるおそれがある
- 公証人役場へ支払う費用がかかる
遺言の種類についての詳細は、こちら↓の記事を参考にしてください。
自筆証書遺言の作成方法を教えてください
自筆証書遺言の作成には、法律上定められた方式があります。
民法968条(自筆証書遺言)
1.自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2.自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
自筆証書遺言は、この法律に定められたとおりに作成しなければなりません。その注意点は、次のようになります。
1.全文を自分の手書きで書く
一部でもパソコンなどで作成したものは無効となります。必ず全文を自分の手で書きましょう。
筆記用具に特に決まりはありませんが、ボールペン・万年筆など消せないものを使用しましょう。用紙は長期間の保存に耐えられる丈夫なものを選んでください
2.日付を記入する
書いた日が特定できるように、年月日までしっかり記入しましょう。平成◯年◯月吉日といったものは無効です。日付まで忘れずに記入してください。
3.遺言書には署名・捺印をする
捺印は認印でも可能ですが、実印が望ましいでしょう。署名・捺印がないものは無効となります。
4.遺言の内容の訂正は、次の手順で行います
- 訂正した文字を2重線で消す
- 消した箇所に捺印
- 正しい文字を記載
- 欄外に訂正した箇所を指定し、訂正した旨を付記
- 付記した箇所に署名をする
この方式にしたがって、遺言の内容を訂正します。この方式が守られていない場合は、遺言の訂正は無かったものとして扱われます。
複雑な方式ですので、間違えたときは新たに書き直したほうが無難です。
5.遺言が数枚にわたる場合は契印をする
ページとページの間にまたがるように捺印をします。印鑑は、遺言書に捺印した印を使用しましょう。
6.財産の特定ができるように記入する
不動産は登記簿のとおりに記載し、預貯金は支店名、口座番号まで記載します。財産の記載が不明確な遺言は、後日の争いの種になりかねません。
7.遺言書は一人一枚
2名以上で遺言をした場合は無効になります。夫婦であっても、一人一枚の遺言書を書きましょう。
以上が、自筆証書遺言を書く際の注意点となります。
なお、遺言文例などは、こちら↓の記事に掲載しています。
公正証書遺言の作成方法を教えてください
公正証書遺言の作成方法は、次の法律に定められています。
民法969条(公正証書遺言)
公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人2人以上の立会いがあること。
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
具体的には次のような手順となります。
- 遺言者が、公証人の目の前で遺言の内容を公証人に口頭で伝える
- 公証人は、1の内容を文章にまとめ、公正証書遺言として作成する
- 公証人は、2の内容を遺言者に読み聞かせる
- 遺言者と証人は、公証人の作成した遺言の内容に間違いがなければ、遺言書に署名・捺印する
なお、立ち合いに証人2人が必要です。
公正証書遺言の詳細は、こちら↓の記事をご覧ください。
なお、遺言の文例は、こちら↓の記事に掲載しています。
遺言執行者とはなんですか?
遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために相続人や受遺者(遺言で財産をもらう人)に代わって手続きを進める人のことです。
遺言執行者は、遺言で指定をするか家庭裁判所の審判で選任されます。現実に多くの場合は、遺言で指定されているケースが多いでしょう。
たとえば、遺言の内容に「この遺言の遺言執行者として甲野太郎を指定する」と書いておけば、遺言者が亡くなった後に甲野太郎が遺言執行者として手続きを進めていくことになります。
遺言執行者についての詳細は、こちら↓の記事を参考にしてください。
相続人以外の人に財産を譲ることはできますか?
遺言で指定をすれば、相続人以外の人に財産を譲ることもできます。遺言によって財産を譲る人は遺言者が自由に決定できるので、このようなことも可能になります。
実際にも以下のような理由で、相続人以外の人へ財産を譲る人が増えてきています。
- お世話になったご近所さんや施設へ
- 最後まで面倒を見てくれた甥っ子に
- 結婚はしていないが、生活を共にしてきた内縁の妻の今後のために
- 同居して面倒をみてくれた子供の配偶者へ
なお、相続人以外の人へ財産を譲ることを法律の用語で「遺贈」といいます。
詳細は、こちら↓の記事をご確認ください。
相続税について
私に相続税はかかりますか?
相続税は誰にでもかかる税金ではありません。遺産の総額が一定の基準額以下の場合は、税金を納付する必要も、申告する必要もないのです。言い換えれば、なにもせずに放置しておいてよいことになります。
この基準の額を「相続税の基礎控除額」といいます。ですので、相続税の計算をする際には、まずはこの基礎控除額を確認しましょう。
相続税の基礎控除額の計算は次のとおりです(平成27年度~)
◆3000万円+600万円×法定相続人の人数
たとえば、相続人が子供3人だったとすると
3000万円+1800万円=4800万円が基礎控除となります。
遺産の総額がこの基礎控除額以下だった場合は、相続税を申告する必要はありません。
相続税については、こちら↓の記事をご確認ください。
司法書士は相続税の申告もできるのですか?
司法書士は相続税の申告はできません。
相続税は税理士の専門分野になります。相続税がかかるのか分からない方でも、まずは当事務所を窓口として手続きを進めていき、相続税がかかるようでしたら信頼のできる税理士をご紹介しています。
なお、相続税は3000万円+法定相続人の人数×600万円の基礎控除があります。
たとえば、相続人が子2人の場合は4200万円が基礎控除額となりますで、相続財産がこの金額を超えないと相続税はかかりません。平成27年度、全体の約92%の人は、相続税を支払う必要がなかったとの統計がでています。
(国税庁:平成27年分の相続税の申告状況について)
どちらか分からない場合は、一度お問い合わせください。
相続税については、こちら↓で解説しています。
法定相続証明書について
法定相続証明書とはなんですか?
「法定相続証明書」とは、法務局から発行される相続人を証明する書類のことです。各種の相続手続きの負担軽減を目的として、平成29年度から運用が始まっています。
法定相続証明書については、こちら↓の記事が参考になります。
法定相続証明書の取得方法を教えてください
法定相続証明書の取得方法は、次のとおりです。
1.必要書類
必ず必要となる書類
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
- 被相続人の住民票の除票
- 相続人の現在の戸籍
- 申出人の氏名、住所を確認できる書類(免許証のコピー、住民票など)
状況によって必要となる書類
- 法定相続証明書に相続人の住所を記載する場合
- 各相続人の住民票
- 親族が代理する場合
- 委任状
- 親族関係がわかる戸籍謄本(他で添付した戸籍に記載されていれば不要)
- 被相続人の住民票の除票を取得できない場合
- 被相続人の戸籍の附票
2.法定相続証明情報一覧図
3.申出書の記入と申出をする登記所の確認
以下のいずれかの所在地を管轄する法務局に、申出をすることができます。
- 被相続人の本籍地(死亡時の本籍です)
- 被相続人の最後の住所地
- 申出人の住所地
- 被相続人名義の不動産の所在地
申出書の記入方法
以上が法定相続証明書の取得方法となります。
法定相続証明書については、こちら↓の記事も参考になります。
その他預貯金等の相続について
預貯金の相続手続きの進め方を教えてください
預貯金の相続手続きの詳細は各金融機関によって異なりますが、大筋では一致しています。大まかな流れは次のとおりです。
- 金融機関が被相続人(亡くなった人)の死亡を確認
→被相続人の預貯金の口座が凍結される - 預貯金の相続に必要な書類を収集・作成
→①被相続人の死亡を証明する戸籍謄本、②相続人を証明する戸籍謄本、③遺産の分け方を証明する書類、④相続人全員の印鑑証明書、の4点が必要になる - 遺言がある場合
→遺言の内容にしたがって各相続人に預貯金の払い戻しをしていく - 遺言がない場合
→遺産分割協議書の内容にしたがって各相続人に預貯金の払い戻しをしていく - 遺言も遺産分割協議書もない場合
→法定相続分にしたがって預貯金の払い戻しをしていく(金融機関によっては、遺産分割協議書がなければ払い戻しに応じないことがある)
以上のような手順で預貯金の相続手続きは進んでいきます。
詳しくは、こちら↓の記事をご覧ください。
当事務所のサービスについて
依頼する場合は、必ず事務所まで行く必要がありますか?
ご本人様確認のために、一度お会いして遺産相続の意思を確認させていただきます。
当事務所へお越しになるのが難しければ、出張相談にも応じています(遠方の出張相談は、出張料がかかる場合があります)。
一度お会いすればよく、その後の手続きは電話・メール・郵送などのやり取りが可能です。
パック料金となっていますが、これ以外に費用がかかる場合はありますか?
以下の2点につき、別途費用がかかります
- 実費
- 不動産を相続される場合の登録免許税(固定資産評価額の1000分の4。たとえば、相続する土地の評価額が1000万円だとしたら、登録免許税は4万円です)
- 役所へ支払う戸籍等発行手数料(戸籍450円、除籍750円、名寄帳300円、など)
- 特殊な相続事情
- 相続人の人数3名、不動産の数5個、金融機関等の件数5件を超える場合
- 相続税の申告が必要な場合(平成27年度、全体の約92%の人は、相続税を支払う必要がなかったとの統計がでています)
- 相続に関する裁判手続きが必要な場合
- 相続人の一人が行方不明の場合 など
※相続税の申告が必要な方には税理士を、裁判手続きが必要な方には弁護士を、それぞれご紹介いたします
※パック料金以外に費用がかかる場合は、必ず事前にお見積いたします。
登録免許税などの実費を含めた費用を教えてください
登録免許税の算出には、固定資産評価額が必要です。固定資産税納税通知書などをご用意いただき、お問い合わせ頂ければ、事前にお見積いたします。
依頼する際の持ち物等を教えて下さい
運転面免許証等の本人確認書類と認印をお持ちください。
その他、亡くなった方の財産関係が分かる書類をお持ちいただけると、手続きがスムーズに進みます(例:通帳、権利証、証券会社の封筒、保険に関する書類、カード類、固定資産税通知書、請求書…等)。
遺産相続に必要な戸籍等は、すべて当事務所にて取得いたします。
平日は仕事があって行けないのですが、土日で対応してもらえますか?
ご予約いただければ土日の相談にも対応しています。
なお、完全予約制ですので、必ずお電話・メールにてお問い合わせ後にお越しください。
着手金などの事前に支払うお金はありますか?
着手金はかかりません。費用は、原則として遺産相続完了後の後払いとなっております。
お金の支払いはどうすればよいのでしょうか?
遺産相続完了の書類と同時に、当事務所から請求書をお送りするので、そちらに記載されている振込先にお振込ください。
遺産相続完了書類を当事務所まで取りに来ていただける場合は、その際に精算していただいても構いません。