アパートローンを組んでいる人に相続が発生した場合はどうする?

アパートの窓

ABOUTこの記事をかいた人

みな司法書士法人 川上直也

司法書士になる前は、特別養護老人ホームで介護の仕事をしていました。私は、実際にお年寄りが法律の問題でお悩みになっている姿を身近で見て、誰もが気軽に相談できる、心に寄り添う法律の専門家が必要だと感じるようになりました。こうした思いから司法書士になり、当事務所を立ち上げるに至ります。ご相談は、お気軽にどうぞ。

アパートローンなどの金銭債務は、相続される財産の対象です。

アパートを相続した人が当然にローンも引き継いで支払っていくもの…と思いたいところですが、そう単純ではありません。アパートローンの支払者をきちんと変更するには、債権者である金融機関の承諾を得る必要があるからです。

ここでは、アパートローンと相続の関係についてご説明していきます。

1.アパートローンは、金銭債務として相続される財産の対象

冒頭にも書きましたが、アパートローンなどの金銭債務は相続される財産の対象です。

「債務」とは「◯◯をする義務」という法律用語です。ここでは、「アパートローンを引き継いで支払っていく義務は相続される」という意味になります。

民法896条(相続の一般的効力)

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

2.金銭債務の相続は遺産分割協議だけでは足りない

遺産分割協議とは、被相続人(亡くなった方)の遺産を相続人の全員でどのように分けるのか協議をすることです。この協議によって、アパート(物件)とアパートローン(債務)を相続する人を決めていきます。

アパート(物件)の相続は、この遺産分割協議で相続する人を決めて、物件の名義変更登記をすれば手続きは完了します。この点について特に問題はありません。

一方で、アパートローンを特定の相続人にきちんと引き継ぐためには、遺産分割協議の取り決めに加えて、債権者である金融機関の承諾を得る必要があります。

この承諾を得ないままでいると、全相続人が金融機関に対して、法定相続分に応じた支払い義務を負っている状態が続くことになってしまいます。

参考:東京高裁昭和37年4月13日決定

遺産分割の対象となるものは被相続人の有していた積極財産だけであり、被相続人の負担していた消極財産たる金銭債務は相続開始と同時に共同相続人にその相続分に応じて当然分割承継されるものであり、遺産分割によつて分配せられるものではない

3.金銭債務をきちんと相続するには、債権者(金融機関)の承諾が必要

金銭債務をきちんと相続するには、債権者(金融機関)の承諾が必要

金融機関側は、ローンを引き継ぐ相続人の返済能力をきちんと審査します。もし、支払い能力に難ありと金融機関が判断すれば、新たな保証人等を要求されることもあるでしょう。

金融機関の承諾が得られたら、アパートローンの「債務引受契約書」を作成します。この契約書は、各金融機関に備え付けのものがありますので、その指示にしたがって作成すれば問題ありません。

金融機関と債務引受契約を締結した後は、アパートローンの「債務者変更登記」を司法書士に依頼して手続きは完了です。依頼できる司法書士がいない場合は、金融機関が司法書士を紹介してくれると思いますので困ることもないでしょう。

4.アパートローンと相続まとめ

以上見てきたアパートローンの相続は、次の手順で進んでいきます。

POINT
  1. 遺産分割協議でアパートローンを相続する人を決める
  2. 金融機関とアパートローンの債務引受契約を締結する
  3. 司法書士に依頼して、アパートローンの債務者変更登記を完了させる

ここでは、アパートローンと相続について見てきましたが、いかがだったでしょうか。

これらの手続きを完了させておかないと、全相続人が金融機関に対して、法定相続分に応じた支払い義務を負っている状態が続くことになってしまいます。

アパートローンを相続しない人も、これらの手続きが完了しているか確認しておくようにしましょう。

この記事が役に立ったらシェアをお願いします


遺産相続のお悩みは解決できましたか?

当事務所では、相続・遺言に関する手続きをすべてサポートいたします。ご自身での手続きに不安があるようでしたら、当事務所までご相談ください。

必ずあなたの力になります。


遺産相続おまかせパック

遺産相続おまかせパック

書類作成・書類収集・預貯金の解約・不動産の名義変更など、相続手続きに必要な各種の手続きをパックにしたサービスです。

「遺産相続の全部をおまかせしたい…」

「忙しくて自分で手続きをする時間がない…」

「自分で手続をするのは不安が残る…」

と思っている方へ。



相続放棄トータルサポート

相続放棄サポート

無料相談、出張相談、書類の取得、書類の作成、相続放棄申述書の作成、照会書の記入アドバイス、…など、相続放棄に必要な手続きをトータルにサポート。

安心の完全成功報酬制です。相続放棄できなかった場合には、料金はいただきません。(ただし、相続放棄の申述が受理される見込みのある方に限ります)



遺言作成トータルサポート

遺言が偽造されていた場合

法的に効力のある、しっかりとした遺言を書きたい!と思っている方へ。

無料相談、出張相談、書類の取得、書類の作成、遺言内容のアドバイス、遺言書下書きの作成、公証人役場との調整、公証人役場での立ち合い…などが含まれています。

自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類に対応。


成年後見トータルサポート

成年後見サポート

成年後見制度の利用をご検討中の方へ。

ご相談から審判の確定まで、成年後見制度の利用に必要な手続きをトータルにサポート。

法定後見と任意後見契約の2種類に対応。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

みな司法書士法人 川上直也

司法書士になる前は、特別養護老人ホームで介護の仕事をしていました。私は、実際にお年寄りが法律の問題でお悩みになっている姿を身近で見て、誰もが気軽に相談できる、心に寄り添う法律の専門家が必要だと感じるようになりました。こうした思いから司法書士になり、当事務所を立ち上げるに至ります。ご相談は、お気軽にどうぞ。