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自営業者の相続【会社の相続と個人事業の相続の違い】

テーブルとパソコンと植物

ここでは、自営業者の相続【会社の相続と個人事業の相続の違い】について、ご説明していきます。

1.自営業の意味

「自営業者」とは、主に次の2つの意味で使われています。

  1. 自分で会社を経営している
  2. 個人事業をしている

①は、〇〇株式会社などの会社を設立し、その会社の代表として経営を行っている場合を指します。

設立には登記を必要とし、正確な商号には、必ず「〇〇会社」など、会社の種類が入ることも特徴の一つです。(なお、この記事でいう「会社」とは、株式会社のことを指しています)

会社の資産は個人の資産とは区別され、会社自体が法人格を持ち、権利義務の主体となって取引行為を行うことができます。

②は、会社を設立せずに個人で事業を行っている場合を指します。

設立には登記を必要とせず、商号には「〇〇会社」などと、会社と誤解させる文字を入れることができません。事業の資産と個人の資産は区別されず、事業の資産=個人の資産となります。

個人事業は法人格を持たないため、取引行為の主体となるのはあくまでも個人、ということになります。

会社 個人事業
設立 登記が必要 登記は不要(開業届を出すだけ)
法人格 ある なし
資産の区別 会社の資産と個人の資産は区別される 事業の資産=個人の資産
取引の主体 会社 個人

2.会社自体に相続という概念はない

会社自体には「相続」という概念はありません。その会社の代表者が亡くなっても、会社はそのまま残ります。

また、「代表取締役」などの会社の役職にも相続という概念はありません。代表者が亡くなったら、単純に役職を退任するだけです。

では、いわゆる家族経営などをしている会社の代表者が亡くなった場合、会社を継ぐ次期代表者はどのようにして決めればよいのでしょうか。

2−1.会社の相続は株式の相続

株式の相続

会社の相続においてポイントとなるのは、「株式の相続」です。

会社の仕組みでは、株式をたくさん持っている人が、株主総会において、その会社の代表者を選任することができます。

そして、株式の所有権は個人に帰属するため、相続の対象となります。

つまり、亡くなった会社の代表者が持っていた株式を次期代表者に相続させて、株主総会において自身を代表に選任すればよいわけです。

会社の相続
  1. 亡くなった代表が所有していた会社の株式は、相続の対象となる
  2. 次期代表者へ、会社の株式を相続させる

3.個人事業主の相続

前述していますが、個人事業主として事業を営んでいた場合、事業用の資産は個人の資産とは区別されません。

事業用資産=個人の資産となり、事業主が亡くなった場合は、事業用の資産を含めた相続手続きが必要となります。

たとえば、事業を営んでいた店舗や事業用の預貯金、事業に関する借金などは、相続の対象です。

3−1.事業を継ぐ相続人に事業用資産を集中させる

個人事業主の相続手続き最大のポイントは、「後継者に事業用資産を集中させる」ことです。

とはいえ、単純に遺言を書いて後継者に遺産の全部を集中させるだけだと、遺産を相続できない相続人から反発を招く可能性があります。

遺留分減殺請求をされた場合の資金をきちんと用意できていなければ、事業資産の中から資金を捻出することになりかねず、事業の継続に支障をきたすことになりかねません。

このようなことを防ぐためには、以下のようなポイントを押さえて事前の準備をしておくことをおすすめします。

個人事業主の相続の準備
  • 事業用資産目録の作成
    →事業用資産をきちんと把握しておく
  • 公正証書遺言の作成
    →自筆証書遺言よりも確実性のある公正証書遺言がおすすめ
  • 遺言の内容は、後継者に事業用資産を集中させる旨を明記
    →後継者が事業を継続できるように
  • 後継者以外の相続人の遺留分を確認
    →各相続人の遺留分を把握して対策をたてる
  • 生命保険などを活用し、後継者以外の相続人へ配慮
    →相続分が少なくなってしまう相続人を保険金の受取人としておくことで、相続発生後のトラブルを回避
  • 相続税の対策
    →相続税がかかるようなら、節税対策や納税資金を確保する

個人事業主の相続については、こちら↓の記事も参考になります。

個人事業主とパソコン

4.まとめ

ここでは、会社の相続と個人事業の相続についての違いを見てきましたが、いかがだったでしょうか。

相続人に対する事業の承継は、事前の対策が大切です。

お悩みの方は、お近くの専門家に問い合わせることをおすすめします。

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ABOUT US
みな司法書士法人 川上直也
司法書士になる前は、特別養護老人ホームで介護の仕事をしていました。私は、実際にお年寄りが法律の問題でお悩みになっている姿を身近で見て、誰もが気軽に相談できる、心に寄り添う法律の専門家が必要だと感じるようになりました。こうした思いから司法書士になり、当事務所を立ち上げるに至ります。ご相談は、お気軽にどうぞ。