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静岡市での相続手続きの流れを解説

相続は人が亡くなると開始します。亡くなった人を「被相続人」、相続する人を「相続人」と呼びます。

相続発生後は、行政関係の手続きや、預貯金の相続手続き、不動産の名義変更、相続税の申告など、やるべきことがたくさんあります。

また、この中には期限が定められているものもあります。特に、亡くなった方の借金を相続しないための相続放棄の期限は3ヶ月、というのは非常に大切です。

そこで、ここでは、はじめて相続手続きを進める方でも困らないように、相続発生後から手続きの流れを解説していきます。この記事のとおりに進めていけば、滞りなく相続の手続きを完了させることができますので、ぜひ参考にしてください。

当事務所は、主に静岡市の方に向けて相続手続きの代行サービスを行っております。この記事に掲載しているものは、主に静岡市の方に向けた相続手続きの流れの解説となります。

相続手続きをする期限と場所(静岡市)について

次の表は、相続が発生した場合の手続きの期限と場所をまとめたものです。場所については、静岡市の役所所在地を掲載しています。

主な手続きの内容

相続手続きをする場所(静岡市)

具体的な手続名

期限

市区町村役場での死亡届、各種保険の資格喪失の届け出

各区役所
(葵区役所)

(駿河区役所)

(清水区役所)

死亡届と火葬予約 

7日以内

介護保険、健康保険など、各種保険の資格喪失届け

14日以内

世帯主の変更届

14日以内

年金関係の手続き

年金事務所

(静岡年金事務所)

年金の受給を止める

14日以内

未支給年金、遺族厚生年金等の請求

5年で時効

ライフライン等契約内容の変更

各契約先へ連絡

電気、ガス、水道等ライフラインの契約者と引き落とし口座の変更

適宜

NHKの契約者と引き落とし口座の変更

クレジットカード、携帯電話等の解約

相続の選択

家庭裁判所

(静岡家庭裁判所)

被相続人に借金があって、相続放棄をする場合は手続きが必要

3ヶ月

準確定申告

税務署

(静岡税務署)

被相続人に事業や不動産所得がある場合に申告が必要

4ヶ月

相続人の調査

本籍地等の市区町村役場

戸籍謄本の収集

適宜

遺言の調査

静岡合同公証役場

公正証書遺言の調査

適宜

法務局

(静岡地方法務局本局)

(静岡地方法務局清水出張所)

自筆証書遺言の調査

適宜

相続財産の調査

不動産所在地の市区町村役場

不動産の調査→名寄帳の取得

適宜

各金融機関

預貯金の調査→残高証明書の取得

適宜

各証券会社

有価証券の調査→残高証明書の取得

適宜

相続財産の名義変更、解約

法務局

(静岡地方法務局本局)

(静岡地方法務局清水出張所)

不動産の名義変更(相続登記)

適宜

各金融機関

預貯金の相続

適宜

各証券会社

有価証券の相続

適宜

保険金の請求

各保険会社

生命保険等の請求

適宜

相続税の申告

税務署

(静岡税務署)

相続財産が基礎控除額を超える場合は、相続税の申告が必要

10ヶ月

1.市区町村役場での死亡届、各種保険の資格喪失の届け出

相続が発生してまずはじめに行う手続きは、死亡届の提出です。被相続人の死亡後7日以内に行う必要があります。

静岡市の場合は、各区役所に「おくやみ窓口」が設けられていて、手続きの案内をしてもらえます。死亡届のほかに、各種保険証の資格喪失届も行いましょう。

静岡市のお悔やみ窓口

【葵区役所】

  • 所  在:葵区役所1階 5番窓口
  • 受付時間:平日 午前8時30分~午後5時15分
  • 電話番号:054(221)1119
  • 資  料:https://www.city.shizuoka.lg.jp/000108878.pdf

【駿河区役所】

  • 所  在:駿河区役所2階 保険年金課内
  • 受付時間:平日 午前8時30分~午後5時15分
  • 電話番号 054(287)8612
  • 資  料:https://www.city.shizuoka.lg.jp/000108879.pdf

【清水区役所】

  • 所  在:清水区役所1階 保険年金課内
  • 受付時間:平日 午前8時30分~午後5時15分
  • 電話番号 054(354)2141
  • 資  料:https://www.city.shizuoka.lg.jp/000108880.pdf

2.年金関係の手続き

年金関係の手続きは、年金事務所において行います。年金の受給停止は、被相続人の死亡を知った日から14日以内に行います。未支給年金、遺族厚生年金の請求は、5年の時効期間が定められていますが、同時に手続きをすることをおすすめします。

静岡市の場合は、静岡年金事務所で手続きを行います。

【静岡年金事務所】

3.水道光熱費等の契約・引き落とし口座の変更

相続が発生すると被相続人の口座は凍結されます。被相続人の口座が電気代や水道代等ライフラインの引き落とし口座に設定されていた場合は、引き落としも止まってしまいますので、変更手続きをしておきましょう。連絡先は、各ライフラインの領収書に記載されています。

4.相続の選択

相続には、

  1. 単純承認
  2. 相続放棄
  3. 限定承認

といった3種類の方法があり、どれを選択するのかは相続人が自由に決定することができます。ただし、②相続放棄と③限定承認は、被相続人の死亡を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申立てをしなければなりません。

被相続人に借金があった場合、その引き継ぎを防ぐためには、②相続放棄か③限定承認が必要になりますので、必ず期間内に手続きをしましょう。

4-1.単純承認

単純承認をすると、被相続人のプラスとマイナスを含めたすべての財産を承継することになります。一般的にいわれている「相続をする」とは、この単純承認のことです。

民法第920条(単純承認の効力)

相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

法令検索:民法

単純承認を選択される場合は、特になにもする必要はありません。そのまま相続手続きを進めましょう。

4-2.相続放棄

前述したとおり、単純承認はマイナスの財産も引き継いでしまいますから、被相続人が多額の借金をしていればそれも引き継ぐことになります。そして、相続した借金は相続人自身の借金となり、引き続き支払っていかなければなりません。

このようなことを防ぐために、相続人は相続を放棄をすることができます。

民法939条(相続放棄の効力)

相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

法令検索:民法

相続放棄とは「初めから相続人とならなかったものとみなす」ことで、すべての財産の引き継ぎを放棄する手続きのことです。すべての財産の引き継ぎを放棄しますので、被相続人に借金があっても引き継いで支払う必要は無くなります。

相続放棄には、「自分のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内にしなければならない」という期限があります。相続放棄を検討している方は、この期限に間に合うように手続きをしましょう。

【静岡家庭裁判所】

※具体的な相続放棄の手続きは、こちらの記事が参考になります。

相続放棄の手順

被相続人の財産の把握ができず、相続放棄の期限に間に合わない場合は、相続放棄の期間伸長の申立てをすることもできます。

相続放棄期間伸長の申立て方法はこちらから(リンク先は裁判所のHPです)

4-3.限定承認

限定承認は、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を支払っていく相続の方法です。限定承認は、被相続人のマイナスの財産がどの程度あるのか不明な場合に有効な方法となります。

民法922条(限定承認)

相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。

法令検索:民法

限定承認にも相続放棄と同じく「自分のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内にしなければならない」という期限があります。限定承認を検討している方は、この期限に間に合うように手続きをしましょう。

限定承認も相続放棄と同じく、家庭裁判所での手続きが必要になります。

5.準確定申告

被相続人が事業やアパート経営をしていて、年金以外に収入を得ていた場合は、その相続の開始を知った日から4ヶ月以内に準確定申告をする必要があります。

静岡市の場合は、静岡税務署で手続きをします。

【静岡税務署】

6.各種遺産の相続手続き

次に、各種遺産の相続手続きを進めていきます。

6-1.相続人の調査・戸籍類の収集

はじめにすることは「相続人の確定」です。だれが相続人になるのかを確定させるために、戸籍を収集して調査をしていきましょう。

収集する書類は、次のとおりです。

  • 被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 相続人の住民票
  • 相続人になるべき人で、すでに亡くなっている人がいる場合は、その人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本
  • 先順位の相続人がいる場合は、その先順位相続人の出生から死亡までの一連の戸籍謄本

戸籍は、本籍地の市区町村役場で入手することができます。本籍地が遠方の場合は、郵送で取得が可能です(「〇〇市 戸籍 郵送」などで検索すれば、郵送方法を載せたHPがでてきます)。

なお、相続人を一人でも欠いた遺産分割協議は無効となってしまいますので、相続人は正確に把握しましょう。

※だれが相続人になるのかは、次の記事が参考になります。

相続人となるのは誰か

6-2.遺言の調査、遺言書の検認

次に被相続人(亡くなった人)が遺言を残していないかを調査しましょう。遺言の内容は、後述する遺産分割協議よりも優先しますので、早めに調査しておく必要があります。

遺言には、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。自筆証書遺言は自分または法務局で保管、公正証書遺言は公証人役場で保管されています。

【静岡公証人合同役場】

【静岡地方法務局】

【静岡地方法務局清水出張所】

遺言の保管場所

公正証書を作成した場合は、必ず公証役場に遺言が保管されています。

自筆証書遺言を作成された場合は、「遺言保管制度」を利用していた場合に限り、法務局に遺言が保管されています。

6-3.遺産の調査

次に、被相続人の遺産を調査していきます。

調査するものは、

  • 預貯金
  • 不動産
  • 生命保険
  • 有価証券

などです。

6-3-1.預貯金等の調査

預貯金の調査は、被相続人名義の通帳を回収していきます。

通帳をすべて回収したら、取引のある金融機関から「残高証明」を取得しましょう。通帳を紛失している場合でも、その金融機関にある口座を調べることができます。

6-3-2.不動産の調査

不動産は、市区町村役場で「名寄帳」とよばれる書類を取得して調査できます。「名寄帳」とは、その市区町村にある被相続人所有の不動産を一覧にした書類のことです。

名寄帳を取得して被相続人所有の不動産を把握したら、そこに記載されている不動産の「登記事項証明書」を取得しましょう。この書類は法務局で入手できます。

  • 名寄帳→不動産の一覧図
  • 登記事項証明書→各不動産の権利関係の明細

となります。

6-3-3.生命保険の調査

生命保険は、保険証券を参考に各保険会社に問い合わせをして確認しましょう。

6-3-4.有価証券の調査

株式などの有価証券は、各証券会社から保有証券の明細を確認しましょう。証券会社に連絡をすれば、被相続人の死亡日を基準日として残高証明を発行してもらえます。

6-4.遺産分割協議、遺産分割協議書の作成

相続人が確定して、相続財産の調査が完了したら、相続人全員で「遺産分割協議」を開催します。協議を終えたら「遺産分割協議書」を作成しましょう。

遺産分割協議とは、「被相続人の残した財産を全相続人でどのように分けるのか決定する協議」のことです。相続手続きの中で一番トラブルを生みやすいポイントですので、慎重に行うことをおすすめします。

6-5.各種遺産の名義変更(遺産の承継)

ここからは、遺産分割協議の内容にしたがって、各種遺産の相続手続きをしていきます。

6-5-1.預貯金の相続手続き

預貯金は、各金融機関で手続きをします。

※手続きの方法については、次の記事が参考になります。

6-5-2.不動産の名義変更(相続登記)

不動産は、不動産所在地を管轄する法務局で手続きをします。

※手続きの方法は、次の記事が参考になります。

本とペン

6-5-3.生命保険の請求

生命保険は、各保険会社に請求をします。保険金受取人から、保険会社へ連絡をしましょう。

なお、死亡保険金は、受取人の固有財産となりますので、相続の対象とはなりません。

6-5-4.有価証券の相続手続き

株式などの有価証券は、各証券会社で手続きをします。証券会社に連絡を入れて手続きを進めましょう。

7.相続税の申告

相続税の申告、納付の必要な方は、、被相続人の死亡を知った日から10ヶ月以内に手続きをしましょう。

なお、相続税は、3,000万円+相続人の人数×600万円の基礎控除があります。遺産の総額がこの基礎控除未満の場合は、相続税を申告する必要はありません。

8.まとめ

以上が相続手続きの流れになります。

相続発生後は、行政関係の手続きや、預貯金の相続、不動産の名義変更、相続税の申告など、やるべきことがたくさんあります。

特に期限があるものには注意して、手続きを進めるようにしてください。

なお、相続手続き完了後、数年経ってから新たな遺産が発見されることも珍しくありません。その時に今回作成・収集した書類を使用する可能性がありますので、大切に取って置かれることをおすすめします。

当事務所は、主に静岡市の方に向けて相続手続きの代行サービスを行っております。初回のご相談は無料にて承りますので、相続手続きに関してお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

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ABOUT US
みな司法書士法人 川上直也
司法書士になる前は、特別養護老人ホームで介護の仕事をしていました。私は、実際にお年寄りが法律の問題でお悩みになっている姿を身近で見て、誰もが気軽に相談できる、心に寄り添う法律の専門家が必要だと感じるようになりました。こうした思いから司法書士になり、当事務所を立ち上げるに至ります。ご相談は、お気軽にどうぞ。