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行方不明の相続人に不在者財産管理人を選任して、相続登記をした事例

家の模型

1.ご相談時の状況

相談者は、40代の男性Aさんです。長期間相続手続きをしていなかった土地を自信名義に変更して、その土地上に新築の建物を建てる予定とのことでした。

この土地の名義は、約40年前に亡くなったAさんの曽祖父Bさん名義のままです。相続の手続きを長期間放置してしまうと、2次相続、3次相続が発生し、相続人の数が増えてしてしまいます。

このような状況で、当事務所はご依頼をお受けしました。

2.相続人の調査

まず、当事務所で戸籍謄本を収集して相続人を調査します。各地の市区町村役場から戸籍謄本を取り寄せなければならないため、調査は約2ヶ月に及びました。その結果、相続人の人数は、総勢15名ということが分かりました。

この15名のうち12名は、Aさんも把握していて直接連絡をとれる方でした。しかし、残りの3名は、Aさんが一度も会ったことがない方でした。さらに、この3名のうち2名の住所地は調査から判明しましたが、残りの1名(行方不明者Xさんとします)は、戸籍上の年齢が100歳を超えていて、その住所地は職権消除されていました。

親戚の方の話によると、Xさんは数十年前に一家で外国に出国したとのことです。この情報が真実だとすると、外国へ出国する際に国内での転出届をしていなかったため、もとの住所地が残ってしまい、職権消除されてしまったのだと考えられます。

こうなると、Xさんの住所地を知る手がかりがありません。したがって、Xさんは行方不明者として、手続きを進める必要があります。

以上の状況を整理すると、

相続人総勢15名のうち、

  • 直接連絡を取れる方→12名
  • 一度も会ったことがないけど、住所地が判明している方→2名
  • 一度も会ったことがなく、住所地が不明な方→1名

という状況になります。

会ったことのない相続人の住所地

共同相続人であって相続手続きのために必要であれば、戸籍謄本、戸籍の附票、住民票等を取得することができます。したがって、これらの書類を取得すれば、一度も会ったことのない方だとしても、住所地を調べることが可能となります。

住所地の職権消除

市区町村による実態調査等により、住民票の住所地に誰も住んでいないことを確認したうえ、職権で住民票を消除することです。

消除された人は、住所の登録がどこにもないことから「住所不定」とよばれます。

3.各相続人との連絡

郵便ポスト

3−1.直接連絡がとれる12名の方

この12名には、Aさんが直接連絡をとりました。Aさんの丁寧な説明の甲斐もあり、Aさんが本件土地を相続することについて、快く承諾してくださいました。

3−2.一度も会ったことがないけど、住所地が判明している2名の方

この2名には、当事務所から手紙を差し出すことにしました。手紙には、Aさんの近況や本件土地の状態、相続関係について丁寧に記載しました。その結果、Aさんが本件土地を相続することについて、承諾を得ることができました。

3−3.一度も会ったことがなく、住所地が不明な1名の方

この1名の方は、行方不明者として不在者財産管理人を選任する必要がありました。

民法第25条(不在者の財産の管理)

1.従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。

2.(略)

この不在者財産管理人は、家庭裁判所の許可(権限外行為の許可といいます)を得て遺産分割協議に参加することができます。

流れとしては、当事務所が裁判所に申立をして、不在者財産管理人が選任され、その不在者財産管理人とAさんで遺産分割協議をすることになります。

なお、不在者財産管理人は不在者の財産を守ることをその職務としていますので、不在者の法定相続分を大きく下回るような遺産分割協議を成立させることは、原則としてできないとされています。つまり、本件の場合においても、単純に不在者の相続分の放棄はできず、Aさんは代償金を支払わなければならないということです。

そして、この代償金の支払いについて裁判所と協議をしたところ、「不在者が帰来して、不在者から相続分の請求があったときのみ代償金を支払う」とする、「帰来時弁済型」という方法をとることが可能とのことでした。

不在者が帰来する可能性は著しく低いため、この方法であれば、Aさんが代償金を支払う必要はほぼなくなります。

したがって、Aさんにとって最小限の負担で遺産分割協議を成立させることができました。

不在者財産管理人については、こちら↓で詳しく解説しています。

行方不明になっている人

行方不明者と遺産分割協議をする方法

4.相続登記の完了

以上の各手続きで取得した書類を使用して、約40年前に亡くなった相談者の曽祖父Bさん名義の土地を無事にAさん名義に変更することができました。

当事務所は、相続に関する数多くのご依頼を解決しております。相続に関してお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

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みな司法書士法人 川上直也
みな司法書士法人 川上直也
司法書士になる前は、特別養護老人ホームで介護の仕事をしていました。私は、実際にお年寄りが法律の問題でお悩みになっている姿を身近で見て、誰もが気軽に相談できる、心に寄り添う法律の専門家が必要だと感じるようになりました。こうした思いから司法書士になり、当事務所を立ち上げるに至ります。ご相談は、お気軽にどうぞ。