遺産相続と成年後見制度の関係とは

本と花

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みな司法書士法人 川上直也

司法書士になる前は、特別養護老人ホームで介護の仕事をしていました。私は、実際にお年寄りが法律の問題でお悩みになっている姿を身近で見て、誰もが気軽に相談できる、心に寄り添う法律の専門家が必要だと感じるようになりました。こうした思いから司法書士になり、当事務所を立ち上げるに至ります。ご相談は、お気軽にどうぞ。

判断能力が不十分な人は、遺産分割協議の内容をきちんと理解できず、自分にとって不利益な内容の協議でも認めてしまうことがあります。

こうした方々をサポートするために成年後見人は選任され、判断能力が不十分な人の権利を守っていきます。

ここでは、遺産相続と成年後見制度の関係をご説明していきます。

1.どのような時に成年後見制度が必要になるか

遺産相続に際して成年後見制度が必要になるのは、「認知症などに罹患し判断能力の低下した相続人を交えて、遺産分割協議をする時」です。

次の図では、認知症であるAに対して成年後見人の選任が必要になります。

認知症の人との遺産分割協議

民法第7条(後見開始の審判)

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

成年後見人は、本人に代わって様々な契約をすることや本人の財産を管理する権限を持ちます。この権限により、成年後見人は本人の代わりに遺産分割協議に参加することにります。

成年後見制度のことを詳しく知りたい方は、こちら↓の記事をご覧ください。

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2018年3月8日

2.成年後見人と相続人の利益相反

成年後見人の選任は、最終的には裁判所が決定をします。

申し立て時に後見人となってほしい人を裁判所へ推薦することは可能ですが、裁判所はその内容に拘束されず、後見の申し立てのなされた本人の諸事情を考慮し、本人にとって適任といえる人を選任するようにしています。

そして、遺産分割協議に際して後見人を選任する場合は、相続人と後見人の間の「利益相反」が考慮されるため、親族である相続人が後見人として選任される可能性は低くなります。

成年後見人と利益相反

この図では、CがAの成年後見人に就任しています。

Cが相続人としての立場で自分の取り分を主張すれば、Aの取り分は少なくなります。一方で、CはAの利益を考慮すれば、自分の取り分が少なくなってしまいます。

このように、「あちらを立てればこちらが立たず」というような関係を利益相反のある関係といいます。

このようなケースでは、後見人に司法書士などの専門職が選ばれる可能性が高くなります。

3.遺産分割協議を終えても成年後見制度は続く

成年後見制度は、判断能力の低下した人の法律行為全般を支援する制度。申立てのきっかけとなった遺産分割協議を終えても、成年後見人の職務は続くことになります。

このとき、後見人に司法書士などの専門職が選任されていれば、本人の財産の中から月々の報酬を支払うことになります。この報酬額は、本人の財産の多寡に応じて裁判所が決定します。

★後見人報酬の目安の例

本人の財産が1000万円以下 月額2万円
本人の財産が1000万円〜5000万円 月額3〜4万円
本人の財産が5000万円以上 月額5〜6万円

成年後見制度にかかる費用のことを詳しく知りたい方は、こちら↓の記事をご覧ください。

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4.まとめ

POINT
  1. 遺産相続に際して成年後見制度が必要になるのは、「認知症などに罹患し判断能力の低下した相続人を交えて、遺産分割協議をする時」
  2. 遺産分割協議に際して後見人を選任する場合は、相続人と後見人の間の「利益相反」が考慮される
  3. 申立てのきっかけとなった遺産分割協議を終えても、成年後見人の職務は続く

ここでは、遺産相続と成年後見制度の関係をみてきましたが、いかがだったでしょうか。

認知症などで判断能力の低下した方との遺産分割協議は、専門的な手続きや知識が必要になります。

ご自身で手続きを進めることが難しい場合は、お近くの司法書士をお尋ねください。

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