注意!次の3つの行動をとると、強制的に相続をしたものとみなされます

次の3つの行動で強制的に相続したものとなる

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みな司法書士法人 川上直也

司法書士になる前は、特別養護老人ホームで介護の仕事をしていました。私は、実際にお年寄りが法律の問題でお悩みになっている姿を身近で見て、誰もが気軽に相談できる、心に寄り添う法律の専門家が必要だと感じるようになりました。こうした思いから司法書士になり、当事務所を立ち上げるに至ります。ご相談は、お気軽にどうぞ。

あなたは、どのように相続をするのかもう決めていますか?

決まっているのならよいのですが、もしあなたが相続放棄を検討しているのなら、「法定単純承認」とよばれる制度に注意してください。

なぜなら、この制度に該当する行動をとってしまうと相続放棄をすることが非常に困難になってしまうからです。

ここでは、「法定単純承認」にあたる3つの行動を解説していきます。相続手続きを進める際の役に立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。

1.相続の法定単純承認とは

まずは、相続の「単純承認」を確認します。一般的にいわれている「相続をする」とは、この単純承認のことです。

民法896条(相続の一般的効力)

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

民法第920条(単純承認の効力)

相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

ここには「相続人は、一切の権利義務を承継する」と書かれていますね。この「一切の権利義務」とは、プラスの財産(預貯金等)とマイナスの財産(借金等)を合算した財産のことをいいます。

そして、単純承認をすると、「無限に被相続人の権利義務を承継する」ことになります。この言葉がわかりにくければ、「被相続人の財産をそっくりそのまま引き継ぐ」と覚えておけばよいでしょう。

単純承認の注意点は、借金などのマイナスの財産も相続してしまうことです。相続した借金は相続人自身の借金となり、引き続き支払っていかなければなりません。

もっとも、被相続人の財産の内容を把握をして、自分で「相続をする」と決めて相続をする場合は、単純承認をしても特に問題はありません。現実に多くの方が単純承認を選択されています。

しかし、「相続をする」と決めかねている間に一定の行動をとった(またはとらなかった)せいで、法律上強制的に単純承認をしたとみなされてしまう制度があります。これを法律の用語で「法定単純承認」といいます。

法定単純承認で注意すべき点は、相続放棄を検討している場合です。

なぜなら、法定単純承認にあたるとされている行動をとってしまうと相続放棄をすることが困難になってしまうからです。

つまり、被相続人(亡くなった人)に借金がありそうだがまだしっかり判明していない…という段階で法定単純承認となる行動をとってしまうと、財産調査の結果、多額の借金が出てきた際に、相続放棄をすることが難しくなってしまうということです。

相続には3種類の方法があります

相続にはこの単純承認のほかに、①相続放棄、②限定承認と呼ばれる方法があります。詳しくはこちら↓の記事をご確認ください。

そもそも相続ってどんな制度

そもそも相続ってどんな制度?3種類の相続方法とは

2017年6月8日

2.法定単純承認にあたる行動とは

法定単純承認にあたる行動とは

法定単純承認にあたる行動は、次の法律に規定されています。

民法921条(法定単純承認)

次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。

一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第602条 に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。

二 相続人が第915条第1項の期間内(相続の開始を知った時から3か月以内)に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。

三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

ここには相続人が次の3つの行動をとった場合に、単純承認をしたものとみなすということが書かれています。

2−1.相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき

  • 被相続人の預貯金を使った場合
  • 被相続人がお金を貸した人から取り立てた場合

などがこれにあたります。

具体的な「処分」の内容については、こちら↓の記事を参考にしてください。

相続財産の処分とは

注意!相続財産の処分をすると、相続放棄が困難になります

2018年4月8日

2−2.相続人が相続の開始を知った時から3か月以内に相続放棄または限定承認をしなかったとき

「死亡の時」からではなく「相続の開始を知った時」になっていることに注意してください。

具体的な期間計算の方法については、こちら↓の記事が参考になります。

相続放棄の3ヶ月

相続放棄の期間は3ヶ月-具体的な期間計算の方法

2018年4月8日

2−3.相続人が相続放棄または限定承認をした後であっても、相続財産を隠し、私に消費し、または相続財産目録にあえて記載しなかった場合

相続放棄が受理された後であっても、債権者に対する背信的行為があった場合は単純承認したものとみなされます。借金だけを免れようと財産を隠して相続放棄をした人に対する罰則のようなものです。

相続放棄をした後の注意点については、こちら↓の記事が参考になります。

相続放棄をした後も財産管理は続く

相続放棄した後も財産管理は続く?相続放棄後の4つの注意点

2018年4月8日

以上3点が法定単純承認にあたる行動とされています。

3.法定単純承認まとめ

法定単純承認について次の3点にまとめておきます。

  • 法定単純承認とは、一定の行動をとった(またはとらなかった)せいで、法律上強制的に単純承認をしたとみなされてしまう制度のこと
  • 法定単純承認で注意すべき点は、相続放棄を検討しているとき
  • 法定単純承認にあたってしまう行動とは、①相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき、②相続人が相続の開始を知った時から3か月以内に相続放棄または限定承認をしなかったとき、③相続人が相続放棄または限定承認をした後であっても、相続財産を隠し、私に消費し、または相続財産目録にあえて記載しなかったとき、の3点

ここでは法定単純承認についてみてきましたが、いかがだったでしょうか。

特に相続放棄を検討されている方は、法定単純承認にあたる行動をとらないように注意して手続きを進めるようにしましょう。

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