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遺産分割前の固定資産税はだれが負担する?

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みな司法書士法人 槙田由美
司法書士のほか,社会保険労務士,医療系の専門職である臨床検査技師の資格を保有しています。これまで関東地方の医薬品開発支援の会社で医薬品の安全性,有効性を評価する仕事に携わっていました。独立した今、お仕事が周囲の方々のサポートによって出来ているを体感し,日々感謝しています。

ある方からの相談された遺産分割前の固定資産税は誰が負担するのか、についてです。

聞かれたとき、「相続財産から生じた債務だから、相続人全員に支払い義務があるよね」と思ったのですが、自信がありません。調べてみることにしました。

事例設定
  • 10年以上前に亡くなったおじいさん(Aじいさん)の相続財産の一部に建物と土地(A建物、A土地)相続人は子供3人(子B,子C,子Dさん)。
  • これまで、相続人間で遺産分割協議がされないままAじいさんが亡くなったころからA建物に子Cが勝手に住み始めました。
  • 子B,子Dは特に文句をいわず、そのままにしていました。
  • A建物、A土地の固定資産税がAじいさんが亡くなって以降支払われていないことが判明しました。

【質問】固定資産税は誰が負担すべきなのか?

【結論】一番円満に行きそうなのは、「相続財産から支払うこと」だと思います。

相続人のお財布は傷みませんのでこれが一番かなと。結果的に、相続人が受け取った財産の割合に応じて負担することになります。

でも相続財産に支払える現金がなかったら?二つの方法を考えました。

  1. 「相続人全員が法定相続分に応じた負担をする」
  2. 「遺産分割協議で対象不動産を引き継ぐことになった人が負担する」

①についてちょっとコメントです。

Aじいさんが亡くなって後に発生した固定資産税は、Aじいさんの相続財産(債務も財産です!)ではなく、遺産分割協議で、A建物、A土地を引き継ぐことになった人が負担する(これを遺産分割協議の遡及効といいます)ことにはならない、と考えます。

ぴったり当てはまる判例は見当たらなかったのですが、賃貸不動産を相続した事例で相続後の賃料は誰のものか、という判例があります。この判例から上記の考えになりました。

【判例 最判平17.9.8】相続開始から遺産分割までの間に遺産である賃貸不動産から生じた賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて確定的に取得し、のちにされた遺産分割の影響を受けない。

②について

今回の事例で考えると、子B、子Dの立場からは、A土地、A建物を引継ぐことになった子Cが負担するのが当然だろう、と考えるでしょう。すでに住んでいるのですから。でも子Cにも言い分はあるかもしれません。

やはり、相続人間での話し合いが重要になってきます。

コミュニケーション能力はどんな場面でも重要ですね。(ちょっと話がそれました、失礼しました)

今回のケースの場合、子Cが建物に住んでおり、遺産分割協議で建物と土地を子Cが引継ぐことにして、固定資産税も負担する、という話で決着がつけられればいいですね。

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