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遺産分割協議は、法定相続分通りにしないといけないの?

積み上がった本

遺産分割協議とは、被相続人(亡くなった方)の遺産を相続人全員でどのように分けるのか協議をすること。遺産相続の最重要となるポイントです。

遺産を分ける協議といっても、各相続人には法律上定められた相続分として「法定相続分」という規定があります。遺産分割協議は、この法定相続分を無視して自由に分割できるものなのでしょうか。

ここでは、遺産分割協議と法定相続分の関係についてご説明していきます。相続手続きを進めるための役に立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。

遺産分割協議の基本的な知識については、こちら↓でご説明しています。

みんなで協議

法定相続分については、こちら↓でご説明しています。

相続人となるのは誰か

1.法定相続分とは

法定相続分とは、法律上規定されている相続分のこと。その詳細は次の表のとおりです。

相続人の順番

相続人の範囲にいくつか補足をしていきます。

  1. 配偶者
    被相続人(亡くなった人)死亡当時の配偶者は常に相続人となります。
    相続人となるのは死亡当時の配偶者であって、離婚をした配偶者は含まれないことに注意してください。
    配偶者の相続分は、他の相続人が誰になるかによって変動します。
  2. 子(直系卑属)
    子は第1順位の相続人です。
    子が複数人いるときは、人数で均等割りをします。
  3. 親(直系尊属)
    親は第2順位の相続人です。子(第1順位)が相続人となる時は、親は相続人とはなりません。
    親が複数人いるときは、人数で均等割りをします。
  4. 兄弟姉妹
    兄弟姉妹は、第3順位の相続人です。子(第1順位)または、親(第2順位)が相続人となる時は、兄弟姉妹は相続人とはなりません。
    父母の一方を同じくする兄弟姉妹(いわゆる半血兄弟)は、全血兄弟の相続分の2分の1となります。
    兄弟姉妹が複数人いるときは、人数で均等割りをします。

2.遺産分割協議は一切の事情を考慮

遺産分割協議の基準については、次の法律が参考になります。

民法第906条(遺産の分割の基準)

遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

ここには「一切の事情を考慮して」と書かれていますね。これはつまり、一切の事情を考慮して相続人全員で合意できる限りは、自由に遺産分割協議をしてもよいということです。

具体例をあげれば、夫が亡くなって相続人が妻と子2人という場合、残された妻の今後の生活状況を考慮して、とりあえず妻が遺産の全てを相続しておくというケースがあります。

ほかに、相続財産に自宅と預貯金がある場合には、そこに引き続き住む人が自宅を相続して、他方の相続人が預貯金を相続するといったケースもあるでしょう。

このように遺産分割協議は、相続人全員で合意できる限りかなり柔軟に分割方法を決定することができるのです。

3.遺産分割協議は自由ですが…

遺産分割協議は自由ですが

先に述べたとおり、遺産分割協議は相続人全員で合意できる限りは自由。特に決まりもありません。

しかし、全くの自由といっても、一部の相続人の強硬的な態度は争いを招きます。「遺産分割協議は自由にすることができる」と先に述べましたが、協議で争わないための一つの方法として、各相続人の法定相続分を目安に分割をすることは有効な方法といえるでしょう。

遺産は自由に分けていいといっても、各相続人にはそれぞれに権利があり、また事情もあるわけですから、お互いに相手のことを思いやった協議をしていくことが争いを生まないコツといえます。

なお、遺産分割協議がまとまらず、遺産分割調停になった場合には、原則として法定相続分を目安に分割をすることになります。

4.遺産分割協議と法定相続分についてまとめ

遺産分割協議と法定相続分について、次の3点にまとめておきます。

  • 遺産分割協議は、一切の事情を考慮して相続人全員で合意できる限りは、自由にすることができる
  • 協議で争わないための一つの方法として、各相続人の法定相続分を目安に分割をすることは有効な方法となる
  • 遺産分割協議がまとまらず、遺産分割調停になった場合には、原則として法定相続分を目安に分割をすることになる

ここでは、遺産分割協議と法定相続分の関係について見てきましたが、いかがだったでしょうか。

遺産分割協議は、争いを招きやすい非常に繊細な手続きです。お互いに相手のことを思いやって、慎重に手続きを進めることをおすすめします。

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ABOUT US
みな司法書士法人 川上直也
司法書士になる前は、特別養護老人ホームで介護の仕事をしていました。私は、実際にお年寄りが法律の問題でお悩みになっている姿を身近で見て、誰もが気軽に相談できる、心に寄り添う法律の専門家が必要だと感じるようになりました。こうした思いから司法書士になり、当事務所を立ち上げるに至ります。ご相談は、お気軽にどうぞ。