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登記されていない建物がある?未登記の建物と相続登記の関係

街並みと道路

「未登記の建物」とは、建築時に登記をしなかった建物のことです。

登記名義がないということは、「名義がない=所有権がない」と思われる方もいるかも知れませんが、これは間違い。登記されていないからといって、所有権がないということはありません。

したがって、未登記の建物の所有者が被相続人(亡くなった人)であれば、当然に相続の対象となります。

ここでは、未登記の建物と相続登記の関係についてご説明していきます。

相続登記の基本的な知識については、こちら↓の記事を参考にしてください。

小さな家

未登記の建物の相続

相続手続きを進めるために名寄帳を取得してみると、家屋番号のない建物が含まれていることがあります。この家屋番号のない建物が、建築したときに登記をしなかった、いわゆる「未登記の建物」と呼ばれるもの。

法律では、建物を建てたときは登記をしなければならないとされ、これを怠ると10万円以下の過料の制裁に処すると定められています(不動産登記法164条)。しかし、法律でそう定められているにもかかわらず、未登記の建物は世の中に数多く存在しています。

居住用家屋の場合は、新築時に住宅ローン融資を受ける関係で金融機関から登記を求められますが、ご自身で建てた倉庫や車庫は、誰からも登記を求められません。そして、前述した「登記をしないことによる過料の制裁」を請求されることもほとんどありません。登記をしてもお金だけがかかってしまうので、とりあえずそのまま放置しておいたら忘れてしまった…といった方が意外と多くいらっしゃるのです。

したがって、被相続人の建物が登記されていないことに驚かれる方もいるようですが、あまり心配をする必要はないでしょう。

冒頭で述べたとおり、この未登記の建物も相続の対象となります。選択肢としては主に次の3つがあります。

  • 相続する人の名義で相続登記をする
  • 建物を取り壊す
  • とりあえずそのまま置いといて、必要に迫られたら登記をする

以下、ケース別に分けてご説明をしていきます。

ケース1.相続人名義での登記

相続をした際にしっかり登記をしておきたい、という方はこちらの手順をおすすめします。メリットは、相続人の登記名義がしっかり入ること。デメリットは、登記費用がかかることです。

未登記の建物を相続人名義で登記するには、次の手順で行います。

  1. 遺産分割協議で未登記の建物を相続する人を決める
    通常の遺産分割協議と同じように、未登記建物の取得者を決定します。建物を共有持分で取得することもできます。
    遺産分割協議については、こちら↓の記事を参考にしてください。
    みんなで協議
  2. 遺産分割協議書を添付して相続人名義で建物の表題登記を申請する
    この登記は土地家屋調査士が申請します。
  3. 相続人名義で所有権保存登記を申請する
    直接相続人名義で登記をすることができます。この登記は司法書士が申請します。

ケース2.建物を取り壊す

建物を取り壊す

建物が古い場合は、取り壊すことを選択してもよいでしょう。この場合は、建物を取り壊した後に建物滅失登記をすることになります。この登記は土地家屋調査士が申請します。

建物を取り壊すので、相続人の登記名義を入れる必要はありません。

ケース3.とりあえずそのまま置いて、必要に迫られたら登記をする

あまりおすすめしませんが、とりあえずそのまま置いておくというのも一つの方法です。

建物を担保に金融機関からお金を借りるときなどは、建物の登記をしていることが必要になります。この選択は、必要に迫られた時に登記をすればよいだろうという考えです。

注意点としては、「建物を新築した際に登記をする義務があり、これを怠ると10万円以下の過料の制裁に処する」と法律上(不動産登記法164条)定められている点です。

今まで未登記のままで過料の制裁を受けたことがある人はほとんどいないと言われていますが、今後絶対にないともいいきれません。相続した建物を未登記のままにしておくかは、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを理解したうえで、ご自身で判断してください。

なお、固定資産税は、登記をしなくても相続人に課税されます。「未登記家屋の名義変更届」というものを市区町村役場に提出すれば、建物を相続する人に納税義務者を変更することができます。

未登記家屋と相続登記についてまとめ

未登記家屋と相続登記について、次の3点にまとめておきます。

  • 未登記の建物とは、建築時に登記をしなかった建物のこと
  • 未登記の建物も相続の対象となる
  • 未登記の建物の相続には、①相続人名義で登記をする、②建物を取り壊す、③とりあえずそのまま置いて必要に迫られたら登記をする、の3つの選択肢がある

ここでは、未登記建物と相続について見てきましたが、いかがだったでしょうか。

未登記の建物も当然に相続の対象となります。もし、被相続人の財産に未登記の建物があるようでしたら、これを機にしっかり登記されておくことをおすすめしておきます。

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ABOUT US
みな司法書士法人 川上直也
司法書士になる前は、特別養護老人ホームで介護の仕事をしていました。私は、実際にお年寄りが法律の問題でお悩みになっている姿を身近で見て、誰もが気軽に相談できる、心に寄り添う法律の専門家が必要だと感じるようになりました。こうした思いから司法書士になり、当事務所を立ち上げるに至ります。ご相談は、お気軽にどうぞ。