遺産分割協議とは、被相続人(亡くなった方)の遺産を相続人の全員でどのように分けるのか協議をすること。遺産相続の最重要となるポイントです。
遺産分割協議は、必ずしも全員が一か所に集まって話し合いをする必要はありません。遺産分割協議書の郵送でのやりとりや、何度かに分けて協議を開催することも可能となっています。
ここでは、遠方にいる相続人間で遺産分割協議を成立させる方法をご説明していきます。
1.遺産分割協議の方法は柔軟に
遺産分割協議は相続人全員で協議をし、全員で合意をしなければ成立したことにはなりません。これを無視した遺産分割協議は無効となってしまいます。
しかし、実際に相続人同士が離れて暮らしている中で、全員が集まって協議をすることは容易なことではありません。仕事が忙しくてなかなか時間がとれない方もいらっしゃるでしょう。
こうした現実の事情を考慮して、遺産分割協議の方法はかなり柔軟に認められています。
2.一度に集まらず何度かに分けて協議
遺産分割協議は、一度に全員集まれないようであれば何度かに分けて協議をしてもよく、電話による協議も可能となっています。
最終的に全員が同じ内容の遺産分割協議書に自署で署名、実印で捺印、印鑑証明書を添付することで、合意の意思を確認しているというわけですね。
3.遺産分割協議書の郵送でのやり取り
遺産分割協議を終えたら、遺産分割協議書を作成しましょう。
遺産分割協議書とは、遺産分割協議の内容を証明する書類のこと。法務局での相続登記、金融機関での預貯金の解約、税務署への相続税の申告など、あらゆる相続手続きで必要となります。遺産分割協議についての正確な記録を残し、後日の争いを防ぐ役割も果たします。
この遺産分割協議書の作成は、郵送でのやり取りが可能です。実際に遠方に住んでいる相続人には遺産分割協議書を郵送し、これに署名・捺印をしてもらうことで、遺産分割協議を成立させるケースはよくあります。
注意点として、相続人全員が同じ内容の遺産分割協議で合意をすることが必要とされていることです。つまり、全員に同じ内容の遺産分割協議書を送らなければいけないということですね。
郵送の方法は、①一枚の遺産分割協議書を順番に回していくことも、②同じ内容の遺産分割協議書を複数枚作成し、別々に郵送して最後に合わせることも可能となっています。②の方は、「遺産分割協議証明書」と呼ばれていますが、通常の遺産分割協議書と意味内容は同じものです。
なお、遺産分割協議書は大切な書類となりますので、必ず書留で郵送するようにしましょう。
郵送で送られてきた遺産分割協議書の内容を確認したら、自署で署名、実印で捺印をしてください。返送時には印鑑証明書の添付も忘れずに。
4.遠方にいる相続人と遺産分割協議をする方法まとめ
遠方にいる相続人と遺産分割協議をする方法を、次の5点にまとめておきます。
- 遺産分割協議は、一度に全員集まれないようであれば何度かに分けて協議をしてもよく、電話による協議も可能となっている
- 遺産分割協議書は郵送でのやり取りが可能となっている
- 郵送の方法は、①一枚の遺産分割協議書を順番に回す、②同じ内容の遺産分割協議書を複数枚作成し別々に郵送して最後に合わせる、といった方法がある
- 遺産分割協議書を郵送でやり取りする場合、全員に同じ内容の遺産分割協議書を送ること
- 郵送で送られてきた遺産分割協議書の内容を確認したら、自署で署名、実印で捺印、返送時には印鑑証明書を添付すること
ここでは、遠方にいる相続人と遺産分割協議をする方法について見てきましたが、いかがだったでしょうか。
遺産分割協議の方法は、かなり柔軟に認められています。ご自身の事情にあった方法を選択してくださいね。
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