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株式の遺産分割協議の方法と手順を解説

株価のチャートとペン

被相続人(亡くなった人)の所有していた株式も、預貯金や現金と同じように遺産分割の対象となります。

ここでは、株式の遺産分割の方法についてご説明していきます。

1.株式の調査

1−1.上場株式

上場株式は、証券会社や信託銀行で管理をしています。この株式の明細書は、被相続人の自宅に定期的に送られてきていますので、そこに記載されている管理会社に問い合わせをしてみましょう。

問い合わせ内容は、①相続が発生したこと、②どのような手続きをとればよいか、の2点を伝えれば大丈夫です。今後は、各管理会社所定の手続きにしたがって、手続きを進めていくことになります。

もし、被相続人の株式所有の有無が不明な場合は、被相続人の預貯金の通帳を確認してみましょう。通帳に「配当」などの項目でお金が振り込まれていれば、株式を持っている可能性があります。

1−2.非上場株式

非上場株式は、各会社で管理をしていることが多いので、株式を発行している会社に直接問い合わせをしてみましょう。

もっとも、会社経営者自身の所有している自社株は把握できるかと思いますが、それ以外の株式は、被相続人からの情報がなければ見つけることが難しくなります。相続人がまったく関わりのない、知人の会社などに出資しているケースもありえるからです。

2.遺産分割の方法

POINTのメモ

株式の遺産分割の方法には、大きく分けて

  1. 現物分割
  2. 換価分割
  3. 代償分割

の3種類があります。

2−1.現物分割

2−1−1.保有している株式を相続分に応じて按分する

現物分割とは、たとえば、A社の株式1,000株を相続人2人で各500株ずつ分ける場合です。

保有している株式を相続分に応じて単純に按分すればよいので、分けやすい点がメリットとなります。

デメリットとしては、一定数以上の株式を保有していると優待等が受けられる場合に、当該優待等を受けられる株式数に満たなくなることがある点です。

2−1−2.株式ごとに相続する人を決める

現物分割では、株式ごとに相続する人を決めることもできます。たとえば、、A社の株式1,000株を相続人の甲に、B社の株式500株を相続人の乙になどと、株式ごとに相続する人を決める場合です。

この方法を取る場合は、相続人間で株式の評価についてきちんと合意をすることが必要となります。

2−2.換価分割

換価分割とは、被相続人が所有していた株式をすべて売却し、売却代金を分割する方法です。すべて現金化されるので、分けやすい点がメリットとなります。

株式の換価分割は、次のような手順で進んでいきます。
(一般的な流れとなります。詳細は、各証券会社によって異なります。)

  1. 相続人全員でする遺産分割協議で、売却代金の取得割合を決定する。株式の売却代金の振込を受ける代表相続人を選定する。
  2. 代表相続人から、証券会社等へ、相続手続きの依頼書を提出する。
  3. 証券会社から、代表相続人のもとへ、株式売却専用口座の開設をするための書類が届く。
  4. 代表相続人は、3の書類に必要事項を記入し、証券会社等へ返送する。
  5. 代表相続人が3で開設した口座へ、株式が移管される。
  6. 5で移管された株式が売却され、代表相続人の指定した口座へ、株式売却代金が振り込まれる
  7. 代表相続人は、6の売却代金を、1の遺産分割協議で定めた割合にしたがって分割する。

2−3.代償分割

代償分割とは、相続人の一人が株式を取得して、他の相続人には代償金を支払う分割方法です。代償金算定のために、どの時点を株式の評価とするか、相続人間できちんと合意をする必要があります。

3.未受領の配当金について

被相続人の死亡から相続手続きの完了までに、支払い不能となってしまった「未受領の配当金」が存在する場合があります。

この「未受領の配当金」は、株式の遺産分割とは別に分割する必要がありますので、遺産分割協議書には、未受領の配当金の分割方法も記載しておくことをおすすめします。

通常は、相続することになった株式の銘柄の未受領の配当金も取得するよう、協議書に記載をしておきます。

4.まとめ

POINT

★株式の遺産分割の方法

  1. 現物分割
    1. 保有している株式を相続分に応じて按分する分割方法
    2. 株式ごとに相続する人を決める分割方法
  2. 換価分割
    1. 被相続人が所有していた株式をすべて売却し、売却代金を分割する方法
  3. 代償分割
    1. 相続人の一人が株式を取得して、他の相続人には代償金を支払う分割方法

ここでは、株式の遺産分割方法をみてきましたが、いかがだったでしょうか。どの方法を選ぶにしても、まずはきちんと相続人間で話し合いをすることが大切です。

ここでの記事が、あなたの参考になれば幸いです。

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ABOUT US
みな司法書士法人 川上直也
司法書士になる前は、特別養護老人ホームで介護の仕事をしていました。私は、実際にお年寄りが法律の問題でお悩みになっている姿を身近で見て、誰もが気軽に相談できる、心に寄り添う法律の専門家が必要だと感じるようになりました。こうした思いから司法書士になり、当事務所を立ち上げるに至ります。ご相談は、お気軽にどうぞ。