一度締結した任意後見契約の解除はできる?

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みな司法書士法人 川上直也

司法書士になる前は、特別養護老人ホームで介護の仕事をしていました。私は、実際にお年寄りが法律の問題でお悩みになっている姿を身近で見て、誰もが気軽に相談できる、心に寄り添う法律の専門家が必要だと感じるようになりました。こうした思いから司法書士になり、当事務所を立ち上げるに至ります。ご相談は、お気軽にどうぞ。

契約時とは事情が変わったなどの理由で「やっぱり任意後見契約を解除したい…」と思う方もいるのではないでしょうか。

任意後見契約の解除は、

  • 任意後見開始前
  • 任意後見開始後

で手続きが異なります。

ここでは、任意後見契約の解除の方法をご説明していきます。

任意後見と法定後見

任意後見契約について詳しく知りたい方は、こちら↓の記事をご覧ください。

法定後見と任意後見の違いとは

2018.03.08

1.任意後見の開始とは

任意後見制度とは、本人の判断能力が衰える前に、後見人になってほしい人とあらかじめ契約を結んでおく制度です。

この任意後見契約を締結した後に、本人が認知症などに罹患し判断能力が衰えた場合は、後見人となるべき人が家庭裁判所へ申立てをして、任意後見がスタートすることになります。

任意後見契約の開始前は、本人の判断能力がしっかりしている状態なので、本人の意思で簡単に任意後見契約を解除することができます。

一方で、任意後見契約開始後は、本人の意思能力が衰えている状態です。本人保護を保護するために、任意後見契約の解除には家庭裁判所の許可が必要になります。

2.任意後見開始前の解除

任意後見開始前の解除

任意後見契約開始前は、本人又は任意後見受任者は、解除証書に公証人の認証を受けることによって、いつでも任意後見契約を解除することができます。

任意後見契約に関する法律 第九条(任意後見契約の解除)

1 第四条第一項の規定により任意後見監督人が選任される前においては、本人又は任意後見受任者は、いつでも、公証人の認証を受けた書面によって、任意後見契約を解除することができる。

(2項略)

2−1.任意後見契約の合意解除

本人と後見人双方合意のうえ解除する場合は、合意解除証書に双方が署名・捺印し、公証人の認証を受けます。

任意後見契約合意解除証書

 

平成◯年◯月◯日付、静岡地方法務局所属公証人◯◯作成にかかる同年第◯◯号任意後見契約を、本日、合意解除する。

 

平成〇年〇月◯日

 

静岡市葵区◯◯

(委任者) 甲野太郎  印

静岡市駿河区◯◯

(受任者) 乙野次郎  印

このような書類に後見人の認証を受けた後、法務局へ後見終了の登記を申請します。

2−2.任意後見契約の一方からの解除

本人と後見人どちらか一方から解除する場合は、解除通知書を作成し公証人の認証を受けたうえ、配達証明付内容証明郵便で相手方に送付します。

通 知 書

 

静岡市駿河区◯◯

(受任者) 乙野次郎  殿

 

私は、貴殿との間で締結した、平成◯年◯月◯日付、静岡地方法務局所属公証人◯◯作成にかかる同年第◯◯号任意後見契約を、本日、この書面により解除致します。

 

平成〇年〇月◯日

 

静岡市葵区◯◯

(委任者) 甲野太郎  印

このような通知書に公証人の認証を受けたうえ、配達証明付内容証明郵便で相手方に送付します。

通知書が相手方に届くと配達証明が戻ってきますので、その後に後見終了の登記を法務局へ申請することになります。

任意後見開始前の解除
  1. 任意後見契約開始前は、本人又は任意後見受任者は、いつでも公証人の認証を受けた書面によって、任意後見契約を解除することができる
  2. 本人と後見人双方合意のうえ解除する場合は、合意解除証書に双方が署名・捺印し、公証人の認証を受ける
  3. 本人と後見人どちらか一方から解除する場合は、解除通知書を作成し公証人の認証を受けたうえ、配達証明付内容証明郵便で相手方に送付する

3.任意後見契約開始後の解除

任意後見契約開始後は、本人の判断能力はすでに衰えている状態です。本人保護を保護するために、任意後見契約の解除には

  1. 任意後見契約に正当事由があること
  2. 家庭裁判所の許可があること

の2点が必要になります。

①の正当な事由とは、任意後見人が病気などにより職務が行えなくなってしまったことなどが該当します。

任意後見契約に関する法律 第九条(任意後見契約の解除)

(1項略)

2 第四条第一項の規定により任意後見監督人が選任された後においては、本人又は任意後見人は、正当な事由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て、任意後見契約を解除することができる。

4.まとめ

POINT
  1. 任意後見契約の解除は、①任意後見開始前、②任意後見開始後、で手続きが異なる
  2. 任意後見契約開始前は、本人又は任意後見受任者は、いつでも公証人の認証を受けた書面によって、任意後見契約を解除することができる
  3. 任意後見契約開始後は、本人又は任意後見人は、正当な事由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て、任意後見契約を解除することができる

ここでは、任意後見契約の解除について見てきましたが、いかがだったでしょうか。

一度締結した任意後見契約でも、きちんとした手続きをとることにより解除することができます。

ここでの記事が、あなたの参考になれば幸いです。

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