相続時の状況
亡きご主人の相続人は、妻のAさん、13歳の子、10歳の子の3名でした。相続財産はご自宅といくらかの預貯金があり、残り15年の住宅ローンも残っています。
亡きご主人の遺産はすべてAさんが取得し、未成年の子の養育費や教育費のために、これらの遺産を使っていきたいというのがAさんの希望でした。
当事務所のご提案
親権者と未成年の子が遺産分割協議をするためには、裁判所に特別代理人の選任を申し立てなければなりません。そして、本件のように、未成年者の法定相続分を大きく下回るような遺産分割協議を成立させるためには、「相当な理由」を記載した上申書を裁判所へ提出する必要があります。
このような事情で選任された特別代理人と遺産分割協議を成立させ、その後に、不動産、預貯金の名義変更、残りの住宅ローンの処理をしていくという案をご提案しました。
ご依頼の結果
特別代理人は無事選任され、遺産分割協議も冒頭の案でまとまりました。
そして、不動産の名義変更と預貯金の解約手続きも滞りなく終えることができました。住宅ローンは、団体信用生命保険の適用により残った借入金は無くなる(0になる)ため、その抵当権の抹消登記を申請し、遺産相続の手続きを終えました。
ポイント
未成年者と親権者の遺産分割協議
前述していますが、未成年者と親権者が共同相続人となって遺産分割協議を行うためには特別代理人の選任が必要です。
特別代理人については、こちら↓の記事が参考になります。
住宅ローンの相続
住宅ローンも相続される財産の対象です。しかし、住宅ローンを組んだ際に団体信用生命保険に加入していれば、残ったローンは保険会社が代わりに支払ってくれることになります。
本件のAさんはこの団体信用生命保険の適用があったため、残った住宅ローンは0になり、もう支払う必要がなくなりました。
現在、住宅ローンを組む際には、ほとんどの人がこの保険に加入しているはずですので、気になる人はローンを組んだ金融機関に確認しておくとよいでしょう。
住宅ローンと相続の関係は、こちら↓の記事が参考になります。
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