相続登記をする際には「登記事項証明書」を取得する必要があります。被相続人(亡くなった人)が所有していた不動産の権利関係を確認し、登記の申請書や遺産分割協議書に不動産の表示を正確に記載するためです。
ここでは、登記事項証明書の取得方法とその見方をご説明していきます。
1.登記事項証明書の取得方法
登記事項証明書は、最寄りの法務局で取得することができます。
法務局の場所はこちら(リンク先は法務局のHPです)
その他インターネットで請求する方法もあります。
登記事項証明書、インターネットでの取得方法(リンク先は法務局のHPです)
登記事項証明書を取得するには、土地であれば地番を、家屋であれば家屋番号を記載して請求します。
被相続人の所有していた不動産の地番・家屋番号は、市区町村役場で取得できる「名寄帳」と呼ばれる書類で調査することができます。名寄帳には、被相続人の所有していた不動産の一覧が記載されていますので、ここに記載されている地番・家屋番号をもとに登記事項証明書の交付を請求するようにしましょう。
2.登記事項証明書の見方
登記事項証明書とは、不動産の権利関係を記録した証明書のことです。不動産の所有者や、抵当権を設定している金融機関等を確認することができます。
(出典:法務省-登記事項証明書の見本)
登記事項証明書の具体的な見方を説明していきます。
①表題部
不動産を特定するために必要な事項が書かれています。
この見本では、
- 所在:特別区南部一丁目
- 地番:101番
- 地目:宅地
- 地積:300.00平方メートル
であることが分かります。
相続登記を申請する際には、ここの内容を不動産の表示として正確に記載しましょう。
②権利部(甲区)
所有者に関する事項が記載されています。下にいくほど新しい所有者となります。
この見本では、現在の所有者は法務五郎さんであることが分かります。法務吾郎さんは、平成20年10月26日売買によって、この土地を手に入れたことも分かります。
なお、不動産の持分を所有している場合は、氏名の上の行に持分◯分の◯と記載されます。
相続登記を申請する際には、所有者欄に被相続人が記載されているかを確認しましょう。
③権利部(乙区)
所有権以外の権利に関する事項が記載されています。
この見本では、株式会社南北銀行の抵当権が付いていることが分かります。
抵当権の内容は
- 債権額:4,000万円
- 利 息:年2.60%(年365日の日割計算)
- 損害金:年14.5%(年365日の日割計算)
- 債務者:法務五郎
- 抵当権者:株式会社南北銀行
であることが分かります。
ここに最近の抵当権が付いている場合は、金融機関等から借り入れがあります。相続登記を申請する前に、その金融機関に借り入れの内容を確認しましょう。
3.相続登記と登記事項証明書まとめ
以上、登記事項証明書の取得方法とその見方を簡単にご説明しました。
登記事項証明書の確認は、相続登記を進めていくうえで必須の作業となります。ここでの記事が、あなたの参考になれば幸いです。
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